introduction
コシナは今年で創業60周年を迎えました。日本の光学産業の発展と共に歩んできた歴史の中でも、特に大きな転換点となったのはいまから20年前の1999年。私たちは休眠状態に近かった欧州の名門ブランドvoigtländer(フォクトレンダー)を復活させました。その第一弾の製品として、フルマニュアルの小型軽量機械式カメラと目測式の超広角レンズを上市。当時のトレンドであった撮影の自動化とは真逆の、アナログ感覚に満ちた製品コンセプトが大きな話題となりました。
その後もフォクトレンダーブランドはマニュアルフォーカス・金属製部品にこだわった独自のものづくりを通じて趣味性の高い製品をリリース。そこでは「レンズ描写の味わい」や「美しいボケ」など定量化をすることが困難なテーマにも取り組みながら、世界初のスペックを持つ製品も数多く発売してきました。
2000 12mm F5.6(L) 世界初 | |
2001 BESSA T 101 | |
2002 BESSAFLEX Tpocor58mm F1.4 35mm F1.2(VM) 世界初 | |
2004 40mm F1.4 Classic(VM) | |
2010 25mm F0.95(MFT) 世界初 | |
2013 50mm F1.5 Vintage Line(VM) | |
2016 10mm F5.6(FE) 世界初 |
フォクトレンダーのレンズ発売から20年。これまでの積み重ねを集大成し、究極の性能を備えた標準レンズとして開発されたのがアポランター50mm F2です。フォクトレンダー史上最高性能の標準レンズはどのようにして生み出されたのでしょうか? 光学設計者・機構設計者・マーケティング担当者・製造担当者へのインタビューを通じて、発売までの軌跡をたどります。